インターネットライブを自宅で行う方法

以前、雑誌に連載していた文章です。店のPRではなく、情報公開の一環です
 「無意味かもしれない実験編」である.
・やったこと
 自宅でインターネットライブの実験放送をやって自己満足した。
・必要なもの
1:RealNetworks' Basic Server 5.0
 RealNetworks' Basic Server 5.0はWindows95(NTやUNIX版もあり)で動作可能なものが無料で提供されている
http://www.real.com/server/basic/index.html
これで,LANやインターネットを通じて,オーディオ,ビデオのストリームを60まで配信することができる.現時点ではMacintosh版は存在しない。サーバーマシンのCPUパワーはそれほど高くなくてもよいので一世代前のペンティアム(たとえば、クロック100メガヘルツ程度)で十分だ.今回は166メガヘルツのペンティアムMMXマシンで試してみたが。2チャンネルの音声を配信してもかなり余裕のある様子だった.
2:エンコーダツール
 オーディオデータやビデオデータをストリームデータにするための変換ツールがリアルエンコーダまたは,リアルオーディオエンコーダである。どちらもリアルオーディオのホームページから無料でゲットすることができる
http://www.jp.real.com/encoder/index.html
リアルエンコーダはオーディオ,ビデオ,アニメーションのエンコードが可能だ.リアルエンコーダは音声のみのエンコードができる。
3:コンテンツ
 放送すべきコンテンツ(内容)がなければインターネットライブの意味がない。今回は家庭内だけの実験だったので既成のCDやAMラジオ放送の番組を流用した。
4:LANまたはインターネットへのアクセス
 LANは10BASE-Tでよい.
・準備
 今回はオーディオデータのエンコードを行ったが、オーディオデータのためのエンコードマシンはWindows95でなくてもOKで,そのためのMacintosh版のエンコーダが発表されている.エンコードに必要なCPUパワーはビデオ画像配信の場合はできるだけ高いものが必要だが、オーディオの場合は68040マシンでも十分だろう。Windows系なら486DXの66メガヘルツクラスのマシンでも可能だ。ぼくの場合は,パワーブック2400を使って1チャンネル,RealNetworks' Basic Server 5.0を稼動させている95マシン自体でもう1チャンネルのエンコードを行うことにした.同時2チャンネルのリアルタイム放送を行ったわけである.1チャンネルは28、800bpsモデム用にAMラジオ放送をエンコードしてサーバーに送り、もう1チャンネルではクラシックのCDを64kbps ISDN用にエンコードして送ることにした。受信側ではリアルプレーヤの「ファイルを開く」メニューで「pnm://**サーバーのURLまたはIPアドレス**/チャンネル名」を指定することで個別チャンネルの受信をすることができる。
・エンコードの実際
 ここまでの準備ができていれば、あとは簡単だ。配線程度の手間で済んでしまう。まず、エンコーダを動作させているパワーブックの外部オーディオ入力ポートにラジオのオーディオ出力をつなぐ。エンコーダは常時動作させておいて,リアルタイムに入力音声をエンコードさせ,LANで接続されているWindows95マシンで稼働しているリアルサーバーにデータを送りこむ.これだけである。
 高品位の放送を行うためのコツはレベル調節だ。要するにボリューム調節である。エンコーダへの入力音声とエンコーダからの出力音声をモニタする機能があるので、それを使って慎重にレベル調節を行う。
 さて、エンコードされた信号をぶちこまれているリアルサーバー側は,受信マシンからの要求があると、そのマシンへ向けて番組を配信する.ライブエンコーディングであるからして、その時点に入力ポートに入力された音声(またはビデオ)がLANやインターネットを通じて受信マシンに配信される。
・結局、これは何に使えるのか
 なんでもそうなのだが、いちおう努力する以上は、その大義名分というか、なんらかの理由づけがないと不安になるのが人間の共通心理である。いったい、ここまでやってきたことがどんなことに使えるのだろうか。
1:
 家庭内での音声配信サービスが実現する.パワーブックを持ち運べ、LANに接続できる場所であれば、家中どこにいてもラジオやCDを聞くことができるようになる。あるいは、自宅の玄関先をCCDカメラで撮影した映像をリアルタイムで見ることができる。教育用にも使えるし,子供部屋の監視用にも使える(?)
 それほどおおげさな理由づけを言わなくてもよいのなら家庭内インターフォンとして使うことも不可能ではない。
(仕掛けばかりおおげさになってしまうが)
2:
 たとえ鼻歌でもいい。自分の歌を全世界の人々に聞かせたいという野望を持ったことがないだろうか。あるいは、自作の詞を朗読して世界中の人に聞かせたいと思ったことはないだろうか。あるいは、自分のバンドの演奏、自分の講演、自分の落語、自分の踊り、自分の・・・他人に聞かせたいもの見せたいものはいろいろあるだろう。
 RealNetworks' Basic Server 5.0をインターネットに接続することができれば,これも,野望ではなくなる.個人放送局を運営できるのである。しかも、チャンネル数を増やせばオンデマンド放送である。
(などと、大まじめに書いたが、あまりメリットではないかもしれない)
・今後の課題
1:ビデオ配信
 リアルプレーヤはオーディオばかりでなくビデオ画像の再生も可能になっている.したがって,ビデオキャプチャボードとビデオデッキ(とLAN)があれば,ビデオ画像を家中のパソコンに配信することも可能だ.ビデオ画像を配信できれば,TVやビデオデッキのない部屋でTVやビデオを見ることができる.パワーブックを持ち運びさえすればトイレでTVやビデオを見ることができるのだ.これで、レンタルビデオの延滞金を払うという失敗も減るだろう。
2:ライブ放送のファイル保存と,ライブシミュレーション
 エンコーダはオプション指定によって、ライブエンコーディングとともにエンコード済みのデータをファイルとして保存することができる。このファイルを再度ライブ放送にかけることもできる(ライブシミュレーション機能)し、ファイル化したデータを郵送や電子メールなどによって別の場所に送って再生することもできる。孫の様子を遠方の祖父母に見せることも可能だ。
3:
 他のストリームツールも試したい。たとえばマイクロソフトのNetShowなど。